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【書評】「勤務医の転職:我慢したけどダメでした」を読んで、医師転職の裏側を知る

今回は「勤務医の転職:我慢したけどダメでした 著 吉岡まる」を拝読し、大変勉強になりましたので、ご紹介します。

お疲れ様です。流浪医たつまるです。

現在は医局からドロップし、クリニックに転職しておりますが、これもなかなかしんどくて

さっさと医者自体辞めてしまいたいと、流浪の思いがふつふつと湧いてきております。

そんな中、今回ご紹介する本を読みました。

勤務医として考えられる限りの転職をされている吉岡先生の本著は、そんな裏側もあったのかと非常に参考になりましたので共有致します。

好待遇な条件には、何かが、隠されている。

勤務医の転職:我慢したけどダメでした 著 吉岡まる

紹介

著者について

著者の吉岡まる先生がどのような形で、転職されるに至ったのかは明瞭には書かれていませんが、

40歳を過ぎてから転職活動されているようです。

綴られる想いからも、かなり几帳面、真面目な先生という印象を受けます。

内科医として、また保険医としてのプライドがあり、清濁併せ呑む、

ということが難しい方なのだろうという印象を受けました。

転職履歴

老健、有床クリニック、健診センター、訪問診療クリニック、療養型病院、産業医など

僕が知らなかった選択肢も含めてありとあらゆる勤務医としての選択肢をとられてます。

そんな働き方もあるのか、またそんな裏側もあるのかと驚きました。(もちろん場所によるでしょうが)

おすすめポイント

様々な選択肢を知る

先にも述べましたがこんなに選択肢があるものかと驚愕します。

老健や療養型病院、産業医などは、今後の自分の流れ着く先として検討していたので、

どのような業務内容なのか垣間見ることができてよかったです。

(全部読むとどこもお先真っ暗やん、という気分になりますが、、)

ある意味、道標

全部読み終えて感じたのは、著者の吉岡まる先生の

圧倒的な生真面目さ

これに尽きます。良いことだとは思いますが、とても生きづらそうだなと感じました。

良く言えば、一本芯の通った、曲がったことは大嫌いという感じ

悪く言えば、融通が効かない、空気が読めない

と、感じられるタイプの方だと思います。

もしご自身で、同じような性格かもと思った方は、一度読んでみた方が良いです。

そういった性格の方が転職されるとどういうパターンがあり得るのか、を知ることができます。

うーんなポイント

だいぶ引き運悪いかも、、

著者は訪問診療クリニックにも勤められており、そこは自分の状況と比較できるので敢えて書かせてもらうと

かなり微妙な案件を引いてしまっているなと感じました。

もう少し良いところもまだありますよとお伝えしたいです。

適応力、コミュニケーション力もどうなん?

上の世代の先生にこんなことを言うのは失礼ですが、

もう少し適応されたら、やや働きやすくなるのではないかと感じました。

読んでいると、「そんなこと普通にあるけど、そんなに気にします?」みたいな点も少なからずあります。

また「それ言っちゃうんだ、、」と言う点もあり(非常に強い正義感ゆえですが)

医者全員が転職が難しいとは思えませんでした。

フローチャートを考える

若手にキツすぎる現在の医者制度

専門医機構はずーっと迷走を続けておりますし、何がしたいのか意味不明

今の若手世代は、昔の先生方に比べて医大の難易度も格段に上がり、優秀な人材が集まったにも関わらず、

上の人らが吸っていた甘い蜜は何もなく、ただ働かされるのみで美味しい部分は何もありません。

徐々にこのクソ制度から抜けてやろうという若手は増えてきてますし、今後も増加し続けると予想されます。

医局抜けない方がいい人もいることは確か

一方で医局制度にもメリットはあるように思います。

それは働く先が準備されること。

もちろん無給医問題などクソ事項は山積みですが、それでも派遣される先があったり、バイト先の斡旋があるのは大きい利点かもしれません。

医師の中には一定数、コミュニケーション能力が著しく低い人や適応能力が低い人が居られます。

そういった方は正直、医局人事に従っていたほうが無難と思います。

フローチャート

いろんな書籍や自身、そして周囲の体験を下に

こういう人はこのベクトルがいいのでは?と言う表を作りました。

軸となるのは適応力、変化への耐性 の2つです。

適応苦手とは、例えば病棟勤務で他の医療スタッフと口論になってしまったり、看護師さんのきつく当たってしまう、声を荒げる、揉めるなどのトラブルが一年に4回以上ある人

過剰適応とは、逆にそういったことがほとんどなく、誰に対しても良い対応をしてしまう、振られた仕事はなんでもしてしまうような人

と定義します。

変化耐性とは、自身の状況を変えようと何らかの行動を起こしたかどうか、と定義します。

具体的には転職サイトに登録したとか、退職の相談を誰かにしたとか、そのレベルでも変化耐性ありと判断します。

もしよければ参考にしてください。

ちなみに僕は、以前の仕事で病む直前は「過剰適応✖️変化耐性(ー)」でした。

休職期間を経て、「過剰適応✖️変化耐性(+)」になってます。バイト医になりたいですね。

以上、ご査収ください。

まとめ

医師転職において、極端な性格はバイト医か医局にずっといるしか、選択肢はないのかもと考えさせられる1冊でした。

しかしそもそも、転職に踏み切ろうと考えられることの方が稀です。

過剰適応気味で、変化も嫌だなと考え、疲弊していく医師はあとを断ちません。

そんな時は一旦、こちらもおすすめです。

以上、流浪医たつまるでした。

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