お疲れ様です。流浪医たつまるです。
泥医に転落してからの期間は、秋になると約2年くらいになります。
この間はコロナウイルスの流行からのワクチンバイトバブルがあったり、
色んな医師バイト紹介サイトが出てきました。
そしてChat GTPの出現で簡単な医者のバイトは消滅するだとか
訪問診療で医師が不運な事件にあったりだとか、色々なことが巻き起こっております。
そして泥医の相場も変わってきていますので、その渦中にいる身から現状を報告させていただきます。
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バイト相場について
スポットは崩壊傾向
一番気になるのはバイト相場かと思いますが、これは平均すると下落傾向と言えます。
コロナ禍の2022年中はワクチンバイトの相場もよく、
1ヶ月フリー期間を設けて、急募のワクチンバイトにいつでも入りまくれば、1ヶ月で数百万ということも可能だったようです。(特に都内ではそれが可能、僕は田舎なので無理でした)
バイト医の極みにおられる方々はこの辺でうまく立ち回り、荒稼ぎをしていたようですが、最近はやはり相場も下がって時給1万を切るものばかりです。
また自由診療系の脱毛問診バイトも、当初は時給1万だったのですが、どんどん下がってきており時給7000円程度もザラです。
やはり「誰でも出来る」バイト内容は足元を見られやすく、相場も下がっております。
まあ当然と言えば当然ですね。
安定の定期非常勤
さて、全てのバイト相場が崩れているかというとそうでもありません。
定期非常勤(週1この曜日だけみたいな働き方)の相場は崩れておらず、むしろ上昇させる余地があります。
僕の場合は定期非常勤だけで仕事を組んでおり、スポットはほとんど入りません。
昔行ったことがある職場に頼まれたら勤務するくらいです。(こういう依頼があったときは出来るだけいくようにしております。これも泥医の処世術の一つです)
僕の働き方はこんな感じです。(実際とは曜日少し変えてます)
色分けしたように、三つの定期非常勤を掛け持ちしており、空いている日にスポット依頼があれば入ったり、副業に費やしたりしています。
何もなければ月曜火曜と平日の昼間も空いてますので、子供と遊んだり、家で過ごす感じです。
週7で毎日朝から夜遅くまで、子供の顔も見られずに働いていた時のことを思うと馬鹿らしくなってきます。
この働き方でも、当時にボロギレ専攻医時代の給料よりはるかに良いんです。
そして定期非常勤で複数日を埋めて、雇い主に対して貢献できるように働けば、自ずと時給も上がります。
2023年3月から4月にかけて軒並み昇給となりましたし、中には常勤で年収2000万を打診されたところもありました。
どう働けばそのような評価になったかは、こちらのnoteで詳しく説明しておりますので、もしよろしければご一読ください。
https://note.com/tatsu5rurouni/n/n29d4dc33ef37
自分で働き方をコントロールし、年収に関してもある程度思ったように出来ています。
僕が本来やりたいと思っていたこと(家族との時間、筋トレ、事業など)に時間を割いているので、ありがたいことに今の状況は非常にストレスが少ないです。
まあ確かに専門医もないですし、アカデミックな業績も何もないのですが、それはそれでありかなと思います。
ドロップアウトの選択肢は若手にオススメ?
そもそも大前提として、もし今の職場に病んでいるなら、早くドロップアウトしてください。結局心身を壊して働けなくなるのが一番総合的にダメージが大きいです。
今は一応メンタルは大丈夫だけど、という前提で
若手という括りを研修医か専攻医か、
能動的か受動的か に分けて考えていきます。
あとここでのドロップアウトの定義は
”保険診療専門医コースから外れること”とします。
受動的専攻医の場合
受動的専攻医の方は、とりあえず今から一番最短で取れる専門医までは取ることをオススメします。
専門医の有無は報酬の多寡というよりは、そもそも限定された案件に応募できるようになるためです。
整形外科専門医とか内視鏡とか眼科とかまさにその典型です。
限定されているので必然的にバイト相場もやや高めで止まっている印象です。
自分で仕事を取りに行く、というスタイルではなく、
与えられた課題はやります
というスタンスなら、とりあえず最短に専門医までは頑張ってみてください。
ドロップアウトはお勧めしません。僕もメンタル病んでなければ続けていたと思います。
そして専門医を取れたらすぐに転職活動がいいです。
次の常勤を見つける、もしくは定期非常勤を増やす場合、個人的なおすすめは民間医局です。
・医師賠償責任保険に加入できる
・サイトが見やすい
・履歴書作成しやすい
というメリットがありますのでお勧めです。
能動的専攻医の場合
自ら積極的に動き、医業だけでなく資産形成の勉強をしたり、医業においても診療報酬の仕組みや診療科、チーム全体のシステムまで考えを巡らせるような、能動的な医師のことです。
まあここまでのシステム的な考えまで行かなくても、例えば病棟はこれでうまく回るのかな、とか
目の前の患者だけでなく、チーム全体のことに目がいく先生は十分能動的です。
大きい病院で第一線で働かれていると気づかないかもしれませんが、その第一線の医者はやはり優秀なので、
こういうチーム全体のこととか考えられない視野狭窄型の医者は世の中にめちゃくちゃいます。
そのため働く場所を変えるだけで、当たり前にしていることが急激に高評価になる世界線に突入します。
能動的な先生は専門医を取るまでの時間・労力を、
在野に飛び出して発揮した方が、より高待遇でリターンも大きいと考えます。
まあこういう優秀な先生は医局でも評価されていて、承認欲求も満たされているので市場には出回らない、というが真相なんですけどね。
もちろん専門医を取得されてから市場に出て、存分に能動的に動くのもありとは思いますが、
そういう優秀な先生に限って専門医取得までの時間、労力がサンクコストになり、また義理などを感じるようになるため、なかなか踏み切れない、という人が多い印象です。
結論として
「医局で優秀と高評価される先生は、医局から出たほうが高待遇」
ということです。
(アクティブな先生にはマイナビドクターがお勧めです。
民間医局と比べて、エージェントに親身に話を聞いてくれる人が多いです。)
追記:実は担当してくださってたエージェントさんが変わって、急激に質が落ちました。
エージェントさんとの相性次第というか、ここはもう運次第です。
代わりに最近、対応のよかった業者を載せときます。
後の紹介する、スポットバイトで有名な【医師バイトドットコム】と同じ会社が運営する、医師転職ドットコムというサービスです。
ここの担当者さんは割と良かったです。
とはいえ、エリアでも違いますし、重要なことは
一つの転職エージェント、転職先に絞らずに、何件も見る
ということです。
ここでサボらなければ、必ず現在よりいい職場に巡り会えると思います。
受動的研修医の場合
基本与えられたことはやるけど主体性はない、という研修医の場合は
お勧めできる進路はマイナー科の専門医コースかと思います。
内科・外科はやはりお勧めできません。(というか今の現状はどんな人にも内科外科はお勧めしません)
眼科・皮膚科・形成外科・整形外科・放射線科・病理・リハビリ
あたりかなとは思います。
専門医の有無については永遠に議論されるところですが、
転職市場にぼちぼち晒されて、色々な院長職の先生と話した僕の中の印象は
「専門医資格」=底上げツール
という感じです。
入職の時点でその底上げが効いてくるので、
・自分で色々な勤務先にアプローチをかける
・診療以外の裏方にも気を配る
・就職活動など臆さず出来る
これらに苦手意識がある先生は、マイナー科の専門医コースに乗っといた方が良いです。
自分で動けない泥医に未来は無いです。
マイナー科コースで時間に余裕がある時にスポットバイトを入れる程度にしておきましょう。
ただし、その単発のバイト先に気に入られるように動いていると、後々良縁に発展することがあります。
スポットバイトは最近相場は下落傾向ですが、探せば悪くない案件もありますので、まずは登録しておきましょう。
少し前はMRTのスポットがいい感じだったのですが、最近はやや渋いですw
医師バイトドットコムは良くも悪くも変わらず、安定した案件が掲載されています。
能動的研修医の場合
もし先ほどの条件
・自分で色々な勤務先にアプローチをかける
・診療以外の裏方にも気を配る
・就職活動など臆さず出来る
これらが苦じゃないような先生は、今の現状だと美容整形を目指した方が良いと思います。
それもとりあえず大手とかではなく、症例を経験できる個人のところの方が良いでしょう。
湘○とかT○Bとか、結構飽和してきている印象です。
この辺りに関して一番参考になるのは「自由診療開業医」先生ですね
マーケットインできない開業医が多すぎるから助かります
— 自由診療開業医 (@freedoctordesu) September 27, 2023
一般企業では当たり前にマーケットインしているのに医師は無駄なプライドが邪魔してプロダクトアウトばかり
職人や技術職はブランディングの一環ならいいけど経営者には向かないですね
気になる方はぜひフォローしてください。
ちなみに自由診療のバイトで行くのはあまりお勧めはしません。
技術のいらない脱毛問診系は、相場も下落傾向にあり、また自由診療で何か責任問題があった場合、
一般的な医師賠償責任保険の対象外となるためです。
やるならしっかりと常勤で、完全に技術を身につける、という姿勢でないと生き残れない激戦区となっています。
まとめ
今回は最近のバイト相場に合わせて、どんな人がドロップアウトに向いているかという点について纏めました。
早い話、主体的に動ける先生はドロップアウトした方が待遇はかなり良いです。
僕自身は長いものに巻かれるタイプの人間でしたが、それでもやむを得ず主体的になったことで、どんどん好条件のお誘いが来る状態です。
元々積極的に動ける優秀な先生なら無双状態だと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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