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専攻医が適応障害と診断されてから、心の平静を保つまで【実践して良かったこと3選】

お疲れ様です、たつまるです。

医者は3年目が地獄、これは日本国中でよく聞かれる言葉かと思います。

実際、自分も地獄を見て結果的に精神を病んでしまいました。研修医や医学生の皆さん、舐めていてはいけません。本当にしんどいです。

そこで今回は、専攻医生活で鬱状態・適応障害と診断されてから、精神科の先生に勧められたことや、実践してみてメンタル的に良かったことをお伝えしていければと思います。

同じように精神的、肉体的に追い込まれている先生方の一助になれば幸いです。

0. 精神科受診

自分の状態を客観視してもらう

大前提の話になりますが、肉体的・精神的にすごく追い込まれている状態の先生方は、一度精神科を受診することを勧めます。

自分は希死念慮バリバリになるまででしたので、国家試験を通っていれば、「あ、やばいやつやん」と分かるものですが、

そこまで行かずとも、知らず知らずのうちに追い込まれている先生方は大勢いると思います。

「医者の不養生」などと言いますが、

基本的に医者は自分の症状に鈍感な傾向があると思います。

疾患や症状の機序は知っていて、「そんなもん気のせいやろ」と言いたくなるような不定愁訴にさらされる機会が多いからでしょうか。

ちょっと気分が落ち込んだり、頭痛やめまいが出ていようが

「最近当直続いてたしな、、」とか、「まあこれくらいはあるやろ、、」とか流してしまいがちです。

手遅れになる前に、一度専門科のご高診をお願いしましょう。

ちなみに精神科の外来は基本予約制で、

行きたいと思った時に行けることはまずありません。

僕の場合は、仕事に行けなくなった日の翌週に受診となりました。気をつけてください。

ここからは適応障害と診断されてから、どんな行動をとって心の平静、メンタルの安定を図ったかという点について書いていきます。

そもそも適応障害の根本的治療は、ストレス因子の除去・環境調整が第一で、内服薬は対症療法に過ぎないそうです。

僕の場合は明らかに職場が原因でしたので転職の方向で動き出しました。これからお伝えするのは環境調整がメインになるかと思います。

 

1. アクティブレスト 運動習慣をつける

直訳すると積極的休養です。

受診した精神科医師からは、「まずは仕事のことは忘れて思いっきりだらける、休むことも重要ですが、運動などを積極的に行うことも休養になるんです」と教えられました。

なるほどと思い、とりあえずジムに通い出しました。

学生時代にもトレーニングの一環として、ジムはちょこちょこ行っていましたが

完全に習慣化できたのは人生で初でした。

ジムに行っている間は、本当に余計なことは考えなくてよくて、

「今日はどの部位をやろっかな」とか

「MAX測定してみようかな」とか

いい意味で脳筋になれるので、非常にいい休養になったと思います。

忙しい医者こそ筋トレすべき

ジム通い・筋トレを習慣化できるようになって感じたことですが、

何か運動習慣をつける上では、多忙な医者こそ筋トレが向いているように思います。

理由としては、短時間でも効果を見込めるからです。

僕は平均30分、長くても1時間程度でトレーニングを終えています。それでも十分に筋肉は付きますし、記録も伸びてきています。

他のスポーツをするとなると、ある程度まとまった時間が必要になります。

またウォーキングやランニング、自転車などの有酸素運動は、ある程度の時間を費やさないと、消費カロリーが稼げないことが多いです。もちろん好きな人は問題ありませんが、

普段忙しくまとまった時間が取れなくて、何から運動を始めたらいいか分からないという先生には、

筋トレをお勧めします。

朝トレのすすめ

僕は出勤前に、朝トレを30分〜45分程度行うことが多いです。

汗をダラダラかく前に終わりますし、しかしその後の1日の代謝は上がっている状態で、脳も覚醒しますので

休日も同じ時間に行ってます。

休職期間、転職活動期間は夕方に行っていたんですが、混んでいることと午前中かなりぐーたらしてしまうので、朝に切り替わりました。

働き出す時間が早い先生方も多いと思いますので、お勧めは職場近くの24時間ジムです。

出勤前15分とかでも良いんで、利用してみてください。その日、1日の生産性はかなり上がっているはずです。

 

初心者向け 筋トレYouTuber

TwitterなどSNS上では、筋トレを趣味にしている医者はめっちゃいますが、現実世界ではマイノリティのように感じます。

筋トレといっても何からすれば良いか分からないという方に参考動画を。

筋トレ系YouTuberは山ほどいますが、たいていオラオラ系で苦手な人も多いかと思います。

しかしこのチャンネルの 山本義徳先生は話し方が非常に知的で冷静です。

トレーニングもガッツリ追い込みたい人向けから、初心者向けまで幅広くあり、

どちらにしても「怪我をしない」ことを優先したトレーニングとなっています。

栄養素の話では、僕が基礎医学の生化学で勉強して以来、聞いてなかった単語とかもすらすら出てきて、

非常に博識です。医者は割と相性いい人が多いんじゃないかと思っています。

あとここのプロテインがめちゃくちゃ美味いです。感動しました。

2. 規則正しい生活リズム

自堕落な生活は余計に病む

精神科受診後、とりあえずゆっくり休んでくださいと、精神科の先生含め、色んな方から言われました。

実際とにかく休んでみたものの、家には生まれてまもない赤ちゃんと妻がいます。

とにかく休むというのは罪悪感しかありません。

最悪感は感じるのですが、午前中とかどうにも眠い、、

とりあえずだらけてやろうと、夜更かしして観ようと思ってた映画を見たり、なんやかんや自堕落に過ごしているのが明らかな原因でした。

とりあえず休めばいいってもんじゃない

夜にたっぷり寝て、朝に起きる、日中は何かする。

することが無くてもこれを徹底することが、健全な精神に戻るためには必要不可欠でした。

しかし日中に働いていないと、こうも不眠になるものなんだなと痛感しました。そら高齢者みんな不眠なるわ、と。

道具に頼ってでもリズムをつける

休職期間中の不眠は、明らかに労働が無くなったことでのエネルギー過多 + 将来への漠然とした不安 によるものでした。前者は道具を使ってでもリズムをつけることを徹底しました。後者は医学以外の勉強、特に資産形成について勉強することで、払拭するようにしましたがこれは後ほど。

前者の道具を使うというのは、「睡眠への課金」でした。

またこれに関しては別記事で詳しくレビューします。

3. 医学以外の勉強をする

医学からは離れた方がいい

とりあえず医者しながらメンタルを病んだので、自分の専攻科の本はもちろん読みませんでしたが、

それ以外で気になってた他科の本など読んでみたんですよ。

結果は地獄です。

こんなことしてて良いのか、自分は何してるんだ、他の奴らは経験積んでいってるのに、、、

みたいな黒い感情に支配されます。

例え何科であっても、いったん医学そのものから離れた方が無難だなと感じました。

 

資産形成、副業の勉強をする

完全に医学とは別で、かつ将来に役立つことをと考えて、お金の勉強を始めました。

きっかけはたまたま見ていたYouTubeで、両学長の動画を見て、資産形成に本腰を入れようと考えつき、時間もあるので狂ったように動画を見たり本を読んだりしていました。

研修医2年目から積み立てNISAは始めていたのですが、他の資産形成や副業のこと、税金や法人設立について、

「この自由時間がチャンスやろ!」と思い、勉強しました。

これはメンタル面でも非常に良かったです。

僕は医師の中でのレベルの低さはさておき、一般社会から見れば、医師は知的好奇心が強く、知識欲というものを持つ、成長中毒者;マイノリティだと感じています。

普段これはみんな医学に向いていることが多いですが、

全く馴染みのない金融・経済の勉強も、より新鮮に知識欲が満たされ、何かしている感覚、何かしら前に進んでいる感覚があり、中毒症状が満たされました。

あとは資産形成の話の中では、どの業種に進んだかとか、やりがいがどうとか、アカデミックかどうかとかそんな話は出てきません。シンプルに収入がいくらか、という点が重要です。収入が低ければ、上がるように立ち振る舞いましょう、ダメなら転職しましょう、という具合です。

仕事をそれくらい割り切る考えが僕には必要でしたし、実際そう思って仕事に向き合う方が、精神衛生上はいいと感じました。(一般的な医師からは非難轟轟かもしれませんが)

仕事とは、何か人に貢献して収入を得る行為

適応障害になった人間は、これくらい割り切りまくってちょうど良いのかもしれません。

動画以外にもおすすめ書籍を紹介しておきます。

まとめ

運動習慣をつける

規則正しい生活リズム

医学以外の勉強をする

端的に言えばこれらが、僕が適応障害、鬱状態から脱却するために実行し、今も継続していることです。

これらが出来なくなるとメンタルの揺らぎを自覚していますので、これらの行動に依存しそうですが、悪いことではないのでまあいいか くらいに考えています。

僕と同じように、ブラック専攻医生活で心を病んでしまった方の、一つの参考になれば幸いです。

 

 

こんな記事も書いてます。

ドロップアウトしてから1年、どんな心境で、どんな流れでドロップして行ったのか、リアルな体験を書いております。

 

ハイパー急性期で忙殺され、精神を病んでしまった先生の著書です。共感しか湧きませんでした。Kindleで読めますのでぜひご一読を。

 

勤務医の転職の選択肢は想像より多いことに気付かされます。

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