お久しぶりです。流浪医たつまるです。
流浪医と言いながら、しれっとクリニックに転職し、総合診療と訪問診療で働くようになりました。
しかし隙あらば、辞めてバイトだけで食べていけたらどんなに良いだろうと、心はふらふら流浪しておりますので、流浪医は継続中です。
クリニックに転職して
半年間、前のハイパー外科のことばっかりやってたので内科的な部分がすっかり抜け落ちており、そもそも苦手というのもあり、毎日参考書と睨めっこしながら頑張ってます。
そして訪問診療・在宅医療はこれまた総合診療と全然違う印象ですね。総診はなんやかんや診断学って感覚が強いですが、在宅医療は限られた器材・医療資源でどうするかという、社会背景がダイレクトに絡んできます。
そんな中で、美容の次のブルーオーシャンなんじゃないのと噂されている訪問診療について、重要なスキルをざっと紹介します。
本日は医学的スキルについてです。
在宅医療での重要スキル
身体診察(フィジカル)
身体所見くらいしかできることない
なんせ人の家なんで、出来ることなんてほぼありません。
Dr.コトーなんて言いますが、訪問診療が必要な動けないお年寄りの家ですからね、一軒一軒が陸の孤島です。画像も取れへんし採血もすぐには結果出ないし。
都心の訪問診療では見かけないんじゃなかろうかという光景。田舎でやってる僕は日常茶飯事です。
— 流浪医たつまる (@tatsu5rurouni) August 5, 2022
運転が上手くなりました。 pic.twitter.com/n2Ou8Q3Ei7
僕は一緒に回る看護師さんやドライバーもおらず1人で訪問していくスタイルなので(クリニックによってはドライバーがいる、看護師さん同乗などありますよ、羨ましい!)
採血なども一苦労です。
手軽に知りたいバイタルサインももちろん自力でいちいちやるんで、スピード感は皆無です。
そんな時に研修医の頃はないがしろにしていた、身体診察しか頼るものがないという状態に陥りました。
やばいサインとかを見逃さないようにすると、身体所見しか手段ないって感じですね。
そもそも身体診察嫌いで難しい本とか全く読む気にならなかったので、以下の本を勢いで購入しましたが、わりと良かったです。
クチコミでは現代医学では危ういだの通用しないだの言われてます。僕も徳田先生の講習受けたことあるのですが、「えーそれどうなん、はよCT撮ろうや」とか思ってました。
しかしなんせ在宅では時代が30年くらい遅れてるようなもんなんで、効果は抜群です。というかこれしか拠り所がないというか。もし救急要請とか他院へ紹介ってなった時に、
「なんかやばそうなんで」とは言えませんので、そういう点でも一定の力を修める必要はありそうです。
元々興味のないジャンルなんで、漫画はありがたいですね。
また急性期病院に紹介させていただく際はできるだけ失礼にないように、書き方には気をつけています。
下の書籍を参考にしています。
ポータブルエコー
すごい人は手足のごとく使いこなす(らしい)
これが使えたらめっちゃ出来ること増えそうですが、僕はエコーも大の苦手でして、
現在はとりあえず当ててるだけですね。
一応面白い本があったので紹介しますが、こんなにみんな使いこなせるものなのかと焦りしか生んでません。
今のところちゃんと見えたのは、膀胱エコーと肋骨骨折くらいですね。(てか肋骨骨折がエコーで分かるってことも、転職してから知りました。)
こんなに分かってないのはポータブルエコー特有の画質がーーって話ではなく、僕の腕の問題です。精進します。
エコーが苦手な方はまずはこれからという本も載せておきます。
またポータブルエコーでは難しいかもしれませんが、エコーでそんなことまで分かるの?って本もありました。
肩腱板炎や膝関節の注射から、トリガーポイントや筋膜リリースの注射とかまで掲載されてます。
筋膜リリースとかほんまかいなと思いますが、これで腰痛が治るなら需要はありそうですね。
ちょこちょここの本も見ながらエコー当てたりしてますが、道のりは果てしないです。
傾聴能力
こだまでしょうか?いいえ、不定愁訴です
患者さんの家なんで、向こうからしても病院で会うよりリラックスモードで、普段より饒舌です。
これを如何に聞きつつ、時間内に終わらせるかが試されます。
最初はちょっと巻いてもらえるように、話切り上げようとしたら全然ダメでした。余計に長くなりました。
研修医の時に、意外と3分傾聴したら、スッキリしはるからとりあえず3分聞いてみなさいと指導されたのを思い出し、
聞いてみました。
30分喋ってはりました。
皆さん僕に良いスキルを教えてください。
ある程度のところで切り上げる勇気も必要です。
意外と誰でも出来るスキル
よく訪問診療では気管切開チューブ・胃瘻ボタン交換・膀胱留置カテーテル/膀胱瘻の交換などは出来ますか?みたいなことが募集の際に聞かれるそうです。
確かに出来るようになった側としては、出来て欲しいしと思う手技です。
と言うのも、どれも1−2回みたら絶対できますし、在宅医療の患者さんは瘻孔もしっかりしてるので、難易度は非常に低くなってます。何かトラブルになる確率は、病棟での交換より相当低いです。作りたての気切交換に比べれば、どうと言うことはありません。
膀胱留置カテーテルなんて、万人がやってるでしょうし意外とやっていないのが胃瘻交換ですかね。
しかし先ほど出来るようになったとか側とかイキってましたが、誰でもできます。
わからんかったら最悪、業者さんに横についてもらってすれば良いと思います。
なので重要スキルにはあげておりません。
そしてこれから訪問診療など考えておられる方の足枷にも全くなりませんのでご安心ください。
以上、訪問診療で医学的に重要なスキル3選でした。
次回は医学以外に重要なスキルについて、解説します。
まとめ
分かってたけど、そんなにおもろいジャンルではないですな。
ブルーオーシャンなのは、みんな面白くないからやってないだけです。