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忙しさに殺されそうな医師へ、仕事と自分を整えるヒント

お疲れ様です、たつまるです。

今回は忙しさに殺されそうになっている先生方へ、自分の人生や考え方を整えるヒントを提示したいと思います。

これから紹介する考え方は、私自身が専攻医生活で潰れてしまい、自殺を考えた時から立ち直っていく過程で得た知識と自分なりの解釈に基づいています。

医者というのはあまりに忙しく、そしてプライドと使命感が強く、それゆえに自殺という選択をしたり、うつ病になってしまう人は少なくありません。

忙殺されている先生が一度立ち止まり、生き方を整理するきっかけになれば幸いです。

幸福感の分類

本日は、幸せの意識の仕方についてお話ししたいと思います。幸せの意識とは、幸せという感覚の感じ方に関するもので、3つの種類があると言われています。それらは、ドーパミン的幸福、セロトニン的幸福、オキシトシン的幸福という3つに分類されます。

樺沢紫苑先生の著書で紹介されています。

ドーパミン的幸福

ドーパミン的幸福とは、刺激的な体験や何かを成し遂げたときに感じられる幸福、一言で言えば「高揚感」です。仕事の達成感や、酒・タバコ・遊びといった刹那的な快楽によるものが多いです。ドーパミン的幸福の特徴は、得られた瞬間の幸福度合いは素晴らしいものである一方、依存性が高いという点です。また、同程度のドーパミン的幸福で満足できなくなってしまうという性質があります。

例えば、仕事で年収が上がった場合でも、最初は達成感や満足感があるものの、すぐに慣れてしまいます。年収600医者の仕事においても、初期研修医の頃に感じた達成感が、徐々に薄れていくことがあります。また、酒やタバコ、ギャンブルの依存度が増すのも、ドーパミン的幸福の特徴です。

セロトニン的幸福

次に、セロトニン的幸福についてです。これは心身が健康で落ち着いた状態で得られます。ドーパミン的幸福とは異なり、安定していて波風の立たない幸福感です。地味とも言えるかもしれませんが、人生の幸福における土台を安定させるには重要なものです。

オキシトシン的幸福

最後に、オキシトシン的幸福について説明します。これは、主にスキンシップから得られる幸福のことを指します。ここで言うスキンシップとは、セックスなど性的快楽のような一時的快楽ではありません。

パートナーとの触れ合いや子供を抱っこする時とか、そういった時に生まれる幸福感のことを指します。

特にお子様がいらっしゃる家庭ではわかると思いますが、子供を抱っこするときの、あのほっとする感じや幸福感と言うのはなんとも形容しがたいものと思います。

また女性は授乳の際にもオキシトシンが分泌されることが知られています。卒乳の際にお母さんがなんとも言えない寂しさに苛まれるのは、オキシトシンの喪失が起こっているためです。

幸福の優先順位

樺沢氏曰く、これらの幸福感には優先順位があり、

セロトニン→オキシトシン→ドーパミン という順で満たす、獲得する必要があるようです。

確かに健康状態がガタガタでは、家族とのスキンシップや仕事での達成感なども土台から崩れてしまいます。

ドーパミン的幸福は依存性が高く、もっともっとと際限がないので、優先順位を意図的に下げなければいけません。

この優先順位は納得です。

人生の領域

さて、もう一つ自分の人生観を考え直すきっかけになったものがあります。

それは「人生には4つの領域がある」という考えです。

ツイッターでも紹介しましたが、これは私の愛読書『CHANCE』から知りました。

人生における成功を「経済的な成功」だけで捉えていると非常にバランスの悪い人生になってしまいます。

例えば仕事だけ大成功して富裕層になれたとしても、仕事で体調を崩していたり家庭が崩壊していては元も子もありません。

人生の成功のための4つの領域

これら4つの領域をバランスよく大きくしていくことが「人生における成功」だよ、というものです。

この4つのうち、健康と精神はセロトニン的幸福であり、愛情はオキシトシン的幸福です。

”経済”というドーパミン的幸福に分類される領域は4分の1に過ぎないということに気づきました。

医者の仕事はどうなる?

さて、ここで私たちが従事している医師という仕事について考えてみました。

結論から言うと、医師という仕事は、他の職業に比べて「経済」の部分と”ドーパミン的幸福”に偏った仕事だなと感じています。

朝早くから夜遅くまで働き、入院患者さんは土日なんて無いのだからと言う理由で、土日の回診も当たり前

アカデミックという大義名分のもと、一円にもならないスライド、論文作りに休暇や睡眠時間を費やす

お金を稼ぐために、さらに休日を潰し、当直バイトの入る日々

代わりに得られる、診断能力や手術の腕前と崩壊した家庭

一旦離れた身分から改めて見てみると、なかなか異常です。

高校の友人で、大手の銀行や商社に勤める人たちに医者の世界の話をすると、大抵驚かれます。

バイトの相場がよく、1日10万稼げることを話すと、みんな口を揃えて

「週2~3だけ働いて違うことすればいいやん」と言います。

確かに月に10日働けば、それでも年収1200万です。おっしゃる通り、ぐうの音も出ません。

「でもその生き方だとキャリアがつかなくて、、、」

「そっか、確かに先に稼げないなら良くないな。我慢したら10年で年収倍くらいになるん?」

「いや、あんまり変わらん、、、」

「え?じゃあキャリアの意味ってなに?笑」

何も言えませんでした。名誉とか誇りとかになるんでしょうが、それが自分の健康や、家族との時間を蔑ろにする理由になるかというと、かなり考えは別れると思います。

まとめ

自分が精神的に病んで、人生の幸せとは何かと考えた時に思い至ったことですが、

旧来の医者の王道の先に、人生の成功・幸福はない

と思います。

もし自分が幸せだけどなと感じているなら、それはあなた自身が何かを捨てているか、家族などの我慢の上に成り立っています。

それにも気づかない鈍感な人はそのまま突っ走ってください。そういう方が医学の世界には必要とされています。

もし自分の生き方で、しんどいな・周りに迷惑をかけてるな と感じた方は、今一度人生を整理するきっかけになれば幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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今後ともよろしくお願いいたします。

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